仕事を手伝ってくれる人は、本来とてもありがたい存在です。
しかし中には良からぬ考えをもって仕事に勝手に手を出してきたり、手柄を横取りしてくる人もいます。
そういった悪意の人でもあなたの仕事を手伝っていることは事実なので、このモヤモヤはなかなかぶつけにくく、非常に大きなストレスにもなります。
特にこのようなケースは、身近にこういった人間(あなたの為といいつつ自分の為にやる腹黒人間)がいる人じゃないと分からないと思います。
そこで当記事では、
人の仕事に勝手に手を出す人、手柄を横取りする人の「心理」「心理の見分け方」「対策」「イライラ解消法」をご紹介しますのでぜひご覧ください。
人の仕事に勝手に手を出す人(手柄を横取りする人)の心理
人の仕事に勝手に手を出す人(横取りする人)の心理には、おもに次のようなものが考えられます。
- 単に世話好きな性格で善意から
- その人の前の職場で仕事を手伝う風習があった
- あなたの仕事の遅れが、その人の仕事の遅れにつながる
- 上司や周囲からの自分の評価を上げようとアピールしている
- あなたを貶めようとしている
それでは詳しく解説します。
1. 単に世話好きな性格で善意から
世話好きな性格で「困った人を見ると放っておけず善意から仕事を手伝う」という人も中にはいます。
あなたが困っていなくても、その人の目には「仕事にアップアップで困っている」と映ったのかもしれません。
迷惑と感じているあなたにとっては「おせっかい」ですが、相手にしてみたら良かれと思っての行動なので、断ることはなかなか難しいです。
2. その人の前の職場で仕事を手伝う風習があった
勝手に人の仕事に手を出す人の中には、以前勤めていた会社でそのような風習があったのかもしれません。
特に、規模の小さい中小企業・零細企業の場合は人数が少ないのでどうしても1人あたりの仕事の幅は広くなりがちです。
そのような会社で働いていると、「周りの人の仕事を手伝う」という「助け合い精神」が根付いている場合が多いです。
この場合、悪意はなくむしろ身体に染みついた「助け合い精神」であなたの仕事をやってくれている可能性があります。
その人が以前いた会社の規模や風土がどんなものだったか、さりげなく聞いてみると相手の心理が分かるかもしれません。
ちなみに筆者はそれなりの規模の企業から零細企業に転職したことがありますが、「周囲の人の仕事を手伝って助け合う」という文化にカルチャーショックを受けたことがあります。
転職前は、そのような助け合いの文化はなかったので、困った時に仕事を手伝ってもらい非常にありがたく思ったことがあります。
3. あなたの仕事の遅れが、その人の仕事の遅れにつながる
特に同じ部署であれば、1人の仕事が周囲の仕事に影響することは普通です。
ひょっとしたら、あなたの仕事が遅いとその人の仕事も遅くなるので、あなたの仕事に手を出してくるのかもしれません。
勝手に手を出してくる人は
- あなたの作成した書類のチェックしている
- あなたの仕事の報告をもとに何らかの業務を行っている
などの仕事をしていませんか?
まずは一呼吸おいて考えてみましょう。
4. 上司や周囲からの自分の評価を上げようとアピールしている
これは、あなたの仕事を奪うことで手柄を横取りし、自分の評価を高めようとしていることです。
いわゆる「仕事できるアピール」「自分がいないと仕事が回らないアピール」ですね。
もちろん、そのような人はそう思っていたとしても絶対に口に出しませんし、「あなたのためを思って手伝った」など言い訳をしてくるでしょう。
5. あなたを貶めようとしている
あなたの仕事を奪うことで、あなたに「自分の仕事を満足にこなせない人」というレッテルを貼ろうとしているということです。
しかし、自分の仕事を周りに手伝ってもらうことは決して悪いことではなく、むしろ評価されるべきことでもあります。
仕事を抱えこんでしまいパンクさせてしまうことは、組織全体としての大きなリスクだからです。
パンクするまで仕事を他人に渡そうとしない社員をもつことは、会社にとって爆弾を抱えているのと同じです。
自分の許容範囲を客観視でき、それを超える前に他人の助けを素直に受け入れることができる社員は、仕事を何でも一人でこなしてしまう人よりもある意味会社にとっては安心できる存在といえます。
むしろ上司への報告をせず、またあなたに何の断りもなく勝手に仕事を奪う人は、会社組織を乱すと見られたり、社会人としての常識さえ疑われる場合もあります。
ですので、もし仕事を勝手に奪われてしまったとしても、それは必ずしも会社からのマイナス評価になるわけではなくむしろプラス評価になる場合もありますので、あまり悲観的に考えないようにしましょう。
人の仕事に勝手に手を出す人(手柄を横取りする人)の『心理の見極め方』
人の仕事に勝手に手を出す人の心理から、
- 単に世話好きな性格で善意から
- その人の前の職場で仕事を手伝う風習があった
- あなたの仕事の遅れが、その人の仕事の遅れにつながる
- 上司や周囲からの自分の評価を上げようとアピールしている
- あなたを貶めようとしている
をお伝えしました。
このうち、1~3は悪意はないといえますが、4~5かもしれない・・・考えるとイライラしますよね。
こんなとき、相手の心理が1~5のどれにあてはまるのかを確かめる方法があります。
- 手伝ってくれるのが上司や周囲にアピールできるような仕事またはシチュエーションか?
「地味な仕事は手伝わないのに目立つ仕事ばかり手伝っていないか」「上司や同僚が気づかない場面でも手伝ってくれるか」ということです。もし、周囲にアピールできる仕事や場面でしか手伝ってくれないのであれば、自分のアピールかあなたを貶めようと考えている(4または5)可能性が高いです。
- 相手に「いつものお礼に、あなたの仕事を手伝ってあげます」と言ってみましょう。
その時の反応や表情で分かるかもしれません。そのときに断ったり、嫌な表情をしたり、明らかに心のこもっていない「ありがとう」などがあれば、あなたのためではなく自分のために手伝っている(4または5)可能性が高いです。快い返事が返ってくるのであれば善意(1または2)で手伝っている可能性が高いです。
- 「あなたの仕事やっておいたよ」の声や表情で判断する
声や表情の印象はかなり主観的になるので、正しい判断ができない可能性もありますが、判断材料のひとつにはなるでしょう。
- 周囲の人にその人の評判をそれとなく聞いてみる
その人が会社に古くからいる場合は特に効果的です。
噂話を鵜呑みにするのは良くないですが、「あの人、昔から自分をアピールすることしか考えてないって評判だよ」なんて情報が聞けたら判断材料のひとつになりますね。
人の仕事に勝手に手を出す人(手柄を横取りする人)の対策
人の仕事に勝手に手を出す人(横取りする人)の「心理」と「心理の見極め方」をお伝えしてきましたが、ここではそういった人に対してどうすればよいのか「対策」を解説します。
まずは上司に報告・相談する
もし勝手に仕事を手伝われてしまったのであれば、真っ先に上司に報告しましょう。
もし他人に自分の仕事をやってもらったことを報告しないと、その仕事に後々トラブルが見つかった場合は、あなたの責任にもなります。
勝手にやられた仕事のせいで自分の責任になるのは理不尽な気がしますが、組織で働いている以上はそれを知った時点で報告する義務が発生するのでやむを得ません。
勝手に仕事をやられることに困っているなら、上司に報告する時にそのことも一緒に伝えると相談しやすいです。
「次からは手伝う前に一声かけてほしい」と伝える
そもそも、手伝う前に一声かけてくれるかどうか(勝手にやられるかそうでないか)が、大きなポイントといえます。
「大丈夫?もし大変なら手伝うよ~」
このような当たり前といえるひと言(コミュニケーション)があれば、あなたもそこまでイライラしているはずもないと思います。
ですので、「今回は非常に助かりました!ただ次からは手伝う前に一声かけてもらえると有り難いです」と感謝の気持ちを見せながらやんわりと伝えるようにしましょう。
このとき、頭ごなしに「手伝いはもう必要ありません」「もうやめてください」と言ってしまうと本当に困っている時に手伝ってくれなくなる恐れがありますし、あなたが悪者になってしまいかねないので、伝えるときの言葉・声色・表情には注意した方が良いです。
(勝手に電話対応される場合)電話相手に「私宛にお願いします」と伝えておく
勝手に仕事を手伝われてかなり困るのが、顧客や取引先などからかかってきた電話に勝手に出られて対応されることです。
その顧客や取引先との間で、担当者のあなたしか知らない内容もあるかもしれないですし、例えば、見積とか納期などで駆け引きしているところへ部外者が割り込んで来たら困りますよね。
このような場合は、その顧客や取引先に、「次からは電話は私宛にお願いします。席を外していたら折り返しますので」ときっぱりと伝えるようにしましょう。
勝手に電話対応されたせいで仕事が思わぬ方向に進んでしまいそうになってしまったら、上司にそのことを必ず報告しておきましょう。
周囲を味方にする
周囲に自分の味方がいると、「仕事を勝手に手伝われたせいでミスが起きた」「仕事の手柄を奪われた」などの事態が起きた場合、味方がフォローしてくれるでしょうし、相談にも乗ってくれて少しは気持ちも落ち着くでしょう。
普段から意識してコミュニケーションをとるようにして、自分の味方を作るようにしておきましょう。
(企画やアイデアの横取りの場合)上司や職場の人にアピールする
これは、その仕事が「作業的なもの」ではなく、企画の提案のような「アイデア」であった場合の対策です。
この場合は、誰よりも先に「そのアイデアは自分が考えた」ということを上司や同僚に周知しましょう。
伝え方としては、まずは「口頭」で真っ先に伝えます。
ただし「口頭」だけだと、悪意ある者にうやむやにされてしまう可能性があるので、「社内メール」や「紙文書の手渡し」など証拠が残る方法でも伝えるようにしましょう。
メールで送る際は、同僚や関係部署にCC付きで送るとさらに周知力が高まります。
周知するときに渡す企画資料は、完璧に作り込む必要は全くありません。
企画資料には時間をかけすぎず、アウトライン(概要)だけをさっさと作ってしまいしょう。
この段階で発表する前に時間をかけすぎると他の人に先を越される可能性がありますし、そもそも企画段階のアイデアは後から必ずと言っていいほど修正が必要になるので、この時点でこだわりすぎる意味はありません。
企画は成功したが、最後においしいところだけを持って行かれてしまい、あなたの企画なのに手柄を横取りされてしまった・・・と言う場合は、証拠(メールや紙文書)を揃えて上司にアピールする手もあります。
もしその企画が失敗した場合は、ちょっとズルいですがあなたの発案だということは黙っていればよいのです。
手柄を横取りした人はもっとズルいのですから気にする必要はありません。
もっとも、その人が「自分の発案ではないから」と言い訳することも考えられますが、「その人が勝手に口出ししてきたから失敗した」という反論も場合によっては可能です。
やってもらった仕事のミスを探してダメ出しする
「やってもらった仕事のミスや不手際をあら探しし、徹底的にダメ出しする」ということです。
あなたの担当業務なのであなたの方がその仕事に詳しいはずなので、粗探しは難しくないはずです。
これをやると、その人はもう「あなたの仕事を手伝おう」という気にはならないでしょう。
ただし、本当に困ったときに手伝ってくれなくなりますし、あなたが職場で悪者になって孤立する可能性もある諸刃の剣なのでおすすめはしません。
仕事を勝手に手伝われたときのイライラ解消法
仕事を勝手に手伝われたときのイライラ、モヤモヤってどうしてもありますよね。
このストレスを少しでも解消できればと思います。
自分の考え方を変える
次のように自分の考え方・意識をちょっと変えることで、仕事を勝手に手伝われたイライラは少しおさまるかもしれませんよ。
- 「仕事やっておいたよ」の時のドヤ顔は主観でしかない(あなたの勘違いかもしれない)
- そもそも「自分の仕事」であると同時に、組織で働いている以上は「みんなの仕事」でもある
- 単純にあなたの業務量が減るのだから、助かっている部分もある。
- 困っているのに手伝ってくれる人が誰もいない職場よりマシと考える。
- 著名な研究者や芸術家などを除き、どんなに優秀な人でも替えの効かない人は世の中にいないことを知る。(上には上がいる。くだらないプライドは捨てる)
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